ニュージーランドにはたくさんのハイキングスポットがあり、世界中から観光客が集まります。
ハイキングといってもキャンプで宿泊しながら山を登って歩く長距離コースもあり、2〜4泊などの日数で存分にその自然を楽しむことができます。
ニュージーランドではそのようなスタイルでハイキングをすることをトレッキングとキャンプをかけて『トランピング』といわれています。
その中でもニュージーランドで2番目に人気といわれている『ルートバーン・トラック』に友人と2泊3日で行ってきました!
今回はそのルートバーン・トラックについて行き方や準備するものなど詳しく紹介していきます。
初心者でも充分楽しめるので、ハイキングや自然好きな方はぜひいってみてください!
ルートバーン・トラック(Routeburn Track)とは
ルートバーン・トラックはニュージーランドで2番目に人気があるといわれているトレッキングコースです。
ニュージーランドにはグレートウォークといわれる国内でも有数の美しい景観を楽しめるトレッキングコースがあります。
ルートバーン・トラックもそのひとつであり、世界中のハイカーや観光客に人気。
ちなみに私が以前紹介した、エイベルタスマン国立公園内のトレッキングコースもそれにあたります。
ルートバーン・トラックはニュージーランド南島、フィヨルド国立公園とマウント・アスパイアリング国立公園にまたがる全長33kmのコースで、2〜4日かけて歩きます。トレッキングできるのは夏の期間(10月中旬〜4月下旬)のみ。
トレッキングコースにはテントサイトやコテージ、山小屋を意味するハットがあり、そこに宿泊しながら進みます。
冒頭でも紹介しましたが、このようなスタイルをニュージーランドではトランピング(Tramping)といいます。
基本的にハットにはベッドやマットレス、ガス台、水道、トイレのみ。食事や寝袋、洋服など必要なものはすべて持っていくことになります。
しかしルートバーン・トラックは基本的にフラットな道なので、そこもまた人気のひとつ。
すべてを歩くと3日は要しますが、日帰りコースや1泊2日などのコースもあるので体力に自身のない方でも大丈夫です。
ちなみに私たちは2泊3日の全制覇コースに参加。私は宿泊するトレッキングは富士山登頂のときだけ、しかも1泊2日。2泊3日のコースは人生初めてでした!
なので、当日までは結構びびっていました笑
しかし終わってみると本当にあっという間で、山の頭頂部以外は全然キツくなかったです。
また、ルートバーン・トラックは映画『ロード・オブ・ザ・リング』でもその壮大な美しい景観が使用されたことで有名です。
費用
続いて、気になる費用ついてです。
・往復バス代 123NZドル(約8,473円)
・ハット宿泊費 2泊 260NZドル (1泊130NZドル)(約17,912円)
(1NZドル=約68円当時)
ルートバン・トラックまでは私たちはクイーンズタウンからバスで行きました。バスについてはクイーンズタウンでいくつかツアー会社があるので、ウェブサイトで検索してみてください。ルートバーン・トラックのスタート地点には駐車場があるので車でも行くことができます。
宿泊費は観光客用に設定されてるのでお高めですが、ハットの中は想像よりもキレイで衛生的にもきちんと管理されていて安心。
日本よりも相当キレイでびっくりします笑
予約方法
ルートバーン・トラックに行く際には、事前にハットやキャンピングスペースを予約する必要があります。
予約は公式サイトからできるので、ルートバーン・トラックで検索してみてください。
ルートバーン・トラックは紹介したとおり、数あるグレートウォークの中でも人気のため早めに予約することがおすすめです。
私たちが予定を立てたときは、ほとんどの日程が埋まっており、空いてる日にちに合わせました。このときで予定日の2ヶ月前くらいでした。
旅行の日程などで時間がない方は、山の麓を歩く日帰りツアーなどもあるので調べてみてくださいね!
持ち物
次は、持ち物について紹介します。中でも服装については当日まで何を持って行こうか悩みに悩みました。
基本的にかさばらず、快適に歩けて軽いもの、重ね着ができるものにしぼって選びました。 汗をかくので、速乾性のある素材などのスポーツ用ウェアなどを持って行くのがおすすめです!
服装と小物類など
【服装】
・ネルシャツ
・Tシャツ(ハイキング用2、寝るとき用1、帰りの着替え用1)4枚
・レギンス 2枚
・短パン
・靴下(ハイキング用3、寝るとき用1)4足
・ハイキングシューズ
・レインジャケット
・雨用ズボン
・カッパ
・ダウン
・フリース
・キャップ
・ニット帽
・ビーチサンダル(室内用)
・手袋
・バックパック
・寝袋
・カメラ
・携帯
・充電器
・タオル
・日焼け止め
・虫除けスプレー
・ティッシュ
・ウェットティッシュ(体をふく用)
・服用のにおい消しスプレー
・パスポート
・ゴミ袋
・ジップロック
このときに持っていったバックパックはこちらです↓
ハイキングをしているときは基本的に暑いのですが、朝夜はとても冷えるのでダウンやフリースは必須です。
また、最高地点のハリス・サドルは山頂なのでかなり寒いのでニット帽や手袋も持って行って正解でした!
ルートバーンは雨の日に当たることもめずらしくなく、山の天気は変わりやすいので雨用のジャケット、ズボン、カッパは持っていくことをおすすめします!
私たちが行ったときは、1,2日目は晴れでしたが3日目の最終日は途中から雨。しかし雨用グッズを持って行ったので大丈夫でした。
特にポンチョタイプのカッパは、バックパックなどもすっぽり隠れるので個人的におすすめですよ!
さらにつば付きのキャップがあると、晴れのときは暑さ予防になり、雨のときも顔にかからなくて済むので個人的に優秀アイテムだと思います!
基本的にこれ持ってくればよかった〜ってことはなかったので、これらを準備して行けば大丈夫な気がします。
パスポートは宿泊地で見せるので必須なので忘れないようにしましょう!
食料
続いて、2泊3日分の食料は何を持っていったのか紹介します。
基本的に簡単に栄養補給や作れるもの、軽いもので選びました!私たちはクイーンズタウンのスーパーですべて購入したので、現地でそろうものばかりです。
・ナシゴレン(トランピング用フード)
・フルーツ(りんご、プラム)
・バナナチップス
・アーモンド
・チョコレート
・ナッツバー
・パン
・カップヌードル
・インスタントみそ汁
・紅茶ティーバッグ
・クリームチーズ(パン用)
・ハム(パン用)
・バター
その他
・ペットボトルの水(1000㎜)
・フォーク
・コップ
・鍋(お湯をわかす用)
↑実際に持っていったもの(2人分)
これに、出発日の朝に作って持って行ったおにぎりとゆで卵が入ります。
とにかく体力を使うので、腹持ちがよくエネルギーとなるもの、軽くてかさばらないものがよいです。
ニュージーランドではトランピングが盛んなので、水やお湯だけで作れるキャンプフードのようなものが多く売られています。
しかもその種類も豊富。
ビーフストロガノフなどのキャンプフードとは思えないものまであります笑
私たちはお米が食べたかったのでナシゴレンにしました!
こんな感じ↓
お湯(水でもOK)を入れて待つだけでできあがり✳︎
基本的に1袋2食分なので友達とシェアしてもいいし、2食分として持っていってもいいともいます。
ほかの参加者の人もほとんどこのシリーズのを持ってきていました!
ナシゴレンは炊き込みご飯みたいでおいしかったですよ笑
ハットにはガス台のみがある状態なので、料理をするとなると調理器具が必要です。
そのため重さを軽減するためにもトランピング用フードはかなりおすすめ。
水道はあるので、お湯を沸かす用の鍋があるといいと思います。
3日分の水は用意しなくてもハットやシェルターでゲットできるので、容器だけを持って行けばOK。
これはかなり重さ軽減になるので助かりました!
ルートバーン・トラック2泊3日体験記
それでは実際にルートバーン・トラックを2泊3日にわたって行ったときのことを紹介していきます。
写真もたくさん撮ったので、こういった景色が楽しめることも参考になればと思います!
1日目(8.8km)
早速ですが、まず出発日。私たちはクイーンズタウンからバスでルートバーンへ。
この日は8.8kmを歩いてハット(山小屋)に宿泊するというコースなので、そこまでキツいハイキングではありません。
夏の期間は日が長いので少し遅くなっても大丈夫ですが、少なくとも日が落ちる前にはハットに着くようにペース配分したほうが適切かと思います!
木漏れ日がキレイな森の中を行くと、いくつか吊り橋があったり川が流れていたり。
天気が良いととても気持ちよく歩けます。
そして森を抜けると圧巻の光景が。
写真でしか伝えられないのですが、実際はこのフレームに収まらないくらいの壮大な景色に包まれます。
本当に映画の中にいるような、別世界に来たような感覚です。
私はアメリカやカナダの大自然も実際に目で見て来ましたが、それともまた違う、広大な自然がそこに生息しているところを生で見ている というような不思議な感じでした。
山、空、雲がいつまでも素晴らしく、少し進むだけで違う表情になるので何度も何度もシャッターを切りました。
道も緩やかで歩きやすいです。
山登りというよりは、散歩をしている感覚。
山を少し抜けた頃には、美しい湖が。
そして途中で遭遇した川がとってもキレイだった!!
かなり透明で、透き通っていました。
この色!!
このポイントで作ってきたおにぎりやお菓子・フルーツなどを食べて休憩しました。
ここで癒されたあと、自然の中をどんどん進んで行くと遠くに滝が見えてきます。
これが1日目のゴールであるルートバーン・フォールズ・ハットに近いというサイン。
暑かったり寒かったりと体温調節を何度もしながら、無事にハットに着きました。
ハットの前には滝と繋がるとてもキレイな川が流れていて、みんなここで休憩をしていました。
ハットには、夏の期間監視員が在中していてハットの清掃や私たちに利用方法や注意事項の説明をしてくれます。
なのでとても安心!
ハットもとってもキレイに整備されていました。
また、夜には監視員の人が蛍が見えるところや、ニュージーランドの固有種である鳥を見せてくれます。
この日のハットには約20名(フル)くらい泊まっていて、その中にはおばあちゃんくらいの年齢の方もいました。
緩やかな道といっても高齢の方には体力を使うでしょうし、さらに重いバックパックを背負ってのトレッキングなので本当に感銘しました。
私もいくつになっても色々なことにチャレンジし続けたいです!
夜になると少し寒くなりますが、寝袋に入ると大丈夫です。
ハットのベッド↓
ものすごい寒くなると暖炉をつけてくれるみたいです。
友達が持ってきていたトランプで遊び笑、ご飯を食べ早めに就寝しました。
ニュージーランドの国旗デザインです笑
2日目はかなりの距離があるので早朝からスタートします。
2日目(11.3km)
2日目は初日とは打って変わって距離も長く、登り降りも結構あります。
また、ルートバーン最高地点である『ハリス・サドル』も含めると最も体力を使う日となります。
そのため私たちは早朝7時からスタートしました!
朝は冷えていたので、お湯を沸かして紅茶を飲み、お湯をペットボトルに入れて行きました。
2日目も運良く晴天で、初日よりは登り降りがあるものの進むごとに景色が素晴らしく何度も足を止めました。
山の外側を歩いているような感じで、ダイナミックな渓谷が広がっています。
山の上に行くとやはり寒くなっていくので、防寒対策は必須。
私は途中からニット帽に手袋、フリースを着て登りました。
雲が目線の高さにあるところまで来ると、改めて標高が高くなっていることを実感します。
最もキツかったのは、やはり『ハリス・サドル』までのトレッキング。
傾斜が急で、さらに崖を登っているかのような道なので呼吸も荒くなります。
よかったのが、休憩所であるシェルターにバックパックを置いて登れたこと。
これができていなければ、諦めていたかも・・笑
時間的にもちょうど日が強く照らすとき、荷物がなくても厳しいです。
さっきまで防寒していたのも束の間、すぐに暑くなり着ていたフリースを腰に巻きました。
けわしく、道とは言えない道をどうにか登り、しかし何とかその頂上まで行くと最高の景色が。
広大な山々と手が届いてしまいそうなくらい近い空。
雲が目線の下にふわふわと動いているのを見ると、とんでもないところにいるような気分に。
まだ最終日でもないのにものすごい達成感でした!
本当に晴れていてよかった!ここは間違いなく登らないと損です!笑
ルートバーンに行く方は絶対にチャレンジしてくださいね☆
ちなみに当たり前ですが、下りもキツイのでくれぐれも足場には気をつけてほしいポイントでもあります。
2日目のハットはハリス湖と呼ばれる大きな湖の麓にあり、その景色も素晴らしいです。
山の上からハリス湖が見えるのですが、それが2日目のゴールのサイン。
上から見えるハリス湖はとってもキレイです。
天気によって湖の色の見え方も変わるみたいですが、この日は濃いエメラルドグリーンのような色でした。
ここからハットまで一気に下るのですが、足に結構負担がかかると思います。
少し地面がぬれている場合があるので、ここも気をつけるポイントです!
ハットに着いた頃には、やりきったー(まだ2日目)という感じで一気に疲労が。
ハットの目の前にあるこの湖も透明で下が見えるくらい透き通っていました。
ちなみに1日目もそうでしたが、ハットでは到着した人順にベッドや寝る場所を選ぶことができます。その辺も考えて行くと到着時間やペース配分もうまく行くかと思います!
2日目のハットは初日よりもかなり大きく、大人数宿泊することが可能です。寝る場所も2つの建物にわかれていました。
私たちがついた頃には、ベッドスペースはすべて埋まっており、雑魚寝スペースへ。
キッチンなども広いので、たくさん人数がいてもスムーズにみんな使えていました。
2日目の食事は、前回の記事でも紹介したキャンプ用フードのナシゴレン!
これ、地味に楽しみにしていたんですよね笑
お湯か水で出来るので本当に簡単。軽いしトランピングには最適なアイテムだと思います!
そんな感じで3日の内の最大の山場(これ字の通り)が終了していきました。
3日目(12km)
いよいよ最終日。朝食には楽しみにしていたカップヌードル!(写真中央↓)
ちょっと高かったですが、やはり安定の日清。寒い朝にぴったりでした!
そしてこの日は、あいにくの雨。山の天気は変わりやすいので、ルートバーンでも雨が降ることは珍しくないのです。
持ってきていた雨グッズで防寒し、トレッキング開始。
(↑写真のがウォータープルーフジャケットと雨用パンツです)
この上にポンチョタイプのカッパを着用したのですが、が本当に重宝しました。
バックパックまですっぽり隠れるので、ぬれなくてすみます。これにキャップをかぶれば、顔もぬれません!
そして、やはり登っていくと暑くなります。雨のときの寒さはそこまで気にしなくていいかもしれません!
足場はそこまで悪くないですが、時折細めの川が出きていたり、元々の川の水が増水して水の中を歩かなくてはいけないという場面もありました。
(私は器用に石づたいに飛び越えました笑)
(↑川が増水したときの)
あくまで自然の中を歩いているので、柵のようなものもないです。
そういったときは無理せず飛び越えたりせず(←)、安全優先で着実に進みましょう!
私たちは最終日にこのような場面に遭遇したので気にならなかったですが、もし初日や2日目に当たって靴がびしょぬれになるのを防ぎたい場合は、足カバーを持って行くのがおすすめです。
子どもが雪遊びをするときに雪が靴の中に入ってくるのを防ぐ用のカバーです!
キャンプグッズ販売店やアウトドアショップにあると思うのでチェックしてみてください♪
そして雨の日は、景色があまり良くないかと思いきや、驚くことにむしろものすごく幻想的でした。
ずっと降り続いているわけでなく、降ったり止んだりしていたので、その合間に見れる情景が特別でした。
空からの光が雲を通して山に差し込んでいたり、虹が見れたり、緑の中の木漏れ日が一段と美しかったり、木々のしずくがキラキラと輝いていたり。
(↑左上にかすかな虹)
(↑滝がダイナミック!)
晴れの日には味わうことのできない自然の姿を見たような感じでした。
と、いうことでルートバーンは雨の日の楽しみ方もあります!がっかりせずに目に見える自然に集中して体感してくださいね♪
最後は山をずっと下って行くのですが、これが結構長くて、すぐ下にゴール地点の駐車場が見えるのに中々着かない・・という感覚に笑
やっと着いたときには達成感とあぁ本当に終わってしまったんだという寂しい気持ちの半々でした。
決して楽な2泊3日ではなかったのですが、たくさんの美しい景色だけの中に自分の身を置いて過ごすことは本当に貴重で楽しく、もっとこの時間を続けていたい気持ちでいっぱいになりました。
もちろん疲れもあったけれど、本当に何だか身も心もスッキリとしました。
建物も何にもない、ただただ自然があった昔の世界にタイムスリップしたみたいな2泊3日。
特別なことは何もしていないのに、それは特別な体験でしかなかった。
改めて自然の偉大さと大切さとありがたみを感じました。
ルートバーンに誘ってくれた友達に本当に感謝です!
次はまた違うグレートウォークにチャレンジしたいなぁ。
ちなみに筋肉痛はそこまでならず、帰ってからは爆睡しました笑
まとめ
ここまでルートバーン・トラックについてシェアしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
少しでもその壮大な景色と特別な体験ができるところだということが伝わっていたら嬉しいです!
私は2泊3日のハイキングは初めてでしたが、平坦な道も多いので初心者の方でも楽しめると思います。
むしろ少しでも興味があれば、ぜひ行ってほしいです!
ニュージーランドならではの自然とここでしか見られない、体験できないことがたくさんなので、チャンスがある方はチャレンジしてみてくださいね。
私もまた別のグレートウォークをトランピングしてみたいと思います!
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